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食 コラム

冬の“至福”を贈る

贈りたいのは、話題の新店/東京編

「HRMT STAGE」はフロアの中心に対面式のカウンターがあり、奥にはオープンキッチン。劇場のような空間では、ゲストの一人ひとりが主役に。

クリスマスも近いこの時季、落ち着いたレストランで過ごすひとときは思い出に残るだけでなく、それ自体がすてきな贈り物にもなるでしょう。それが、この1、2年でオープンした「話題の新店」であれば、新しい出合いも期待できるかもしれません。和食にフレンチ、イタリアン……。とっておきの1軒を、人気のグルメガイド『東京最高のレストラン』編集長・大木淳夫氏に選んでもらいました。

2026.10.26

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ソースが決め手のフランス料理をアラカルトで

 「HRMT STAGE」は、日本にグランメゾン文化を築いてきた「ひらまつ」が、その伝統を再構築し、次の世代へ継承するためのステージとして2026年2月にオープンしたレストラン。
 店内は舞台の趣を取り入れた上質な雰囲気。昨今、コース料理一択のレストランが増えるなか、同店ではカジュアルに楽しめるアラカルトもある。「自分で好きなコースを組み立てるのも、ワインと料理1品といった具合に2軒目、3軒目としてご利用いただくこともできます」と志水厚太シェフ。料理の核となるのは、丁寧に引き出された出汁とソース。店内には大きなドリッパーがあり、利尻昆布を使った和風の出汁に複数のハーブをかけ合わせたオリジナルの“オリエンタル出汁”を抽出。これを、すべてのゲストに“はじまりのひと品”として供するとともに、料理のなかでソースに使用することも。また、アラカルトではメインの魚や肉料理に3種類程のソースが用意され、選ぶことができる。

  • 「オシェトラキャビアマッシュポテトのクルスティアン」(3,000円)。マッシュポテトを春巻きの皮で巻いて揚げたものを、キャビアの塩気とサワークリームの酸味で味わうひと品。

  • 「7日間かけて仕上げた自家製パテアンクルート」(2,200円)。フランボワーズのソースと季節の野菜のピクルスが添えられている。

  • 手前は「フランス産オマール」(1/2本・4,400円)。3種のソースのなかからブールブランをセレクト。奥は「焼き野菜」(1,200円)。

  • 左手前から、シャンパーニュ「ルイ・ロデレール・クリスタル2015年」(99,000円)、ボルドーの白ワイン「シャトー・オー・ブリオン・ブラン2011年」(16万8,000円)、ボルドーの赤ワイン「シャトー・パルメ1991年」(12万5,000円)。グラスワインは1,500円~、ボトルワインは8,800円~。

  • 右はシェフの志水氏、左はマネージャーの宮﨑竜也氏。シェフを筆頭にスタッフは若手精鋭が揃う。

【大木氏おすすめPoint】気軽な雰囲気のなかで、劇場のような演出を楽しむ

 カウンター、テーブル、個室、すべてで舞台のようなワクワク感を楽しめます。ぜひアラカルトでスタッフとも会話をしながら料理とワインを。締めにパスタもあって、肩肘張らない雰囲気です。

HRMT STAGE(エイチアールエムティー ステージ)[東京]

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ラズベリーピンク色のドレープカーテンがドラマチックな雰囲気を漂わせるエントランス。

TEL 03-6416-9434
東京都渋谷区恵比寿西1-17-13コルティス恵比寿1階
5:30PM~9:30PM(L.O.)(日・祝 ~8:00PM(L.O.))、ランチ(土・日・祝のみ)11:30AM~1:00PM(L.O.)
水曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始休(臨時休業あり)
※チャージ:660円

https://www.hiramatsurestaurant.jp/hrmt-stage/

伝統的なイタリア料理を和の食材で表現

 歴史と新しい文化が融合する東京・人形町に2025年9月にオープンした「Firmamento」は、カウンター8席のイタリア料理のレストラン。シェフの大佐古優也氏は、イタリア料理をベースに日本料理の技術も体得して独立。同店ではイタリアの伝統料理を、日本の食材を使って新しいかたちで表現する。
 料理は一斉スタートで、全13品の構成。最初に登場するスペシャリテは「アオリイカのパネッレ」。パネッレとはシチリア地方のソウルフードのようなもので、ヒヨコ豆のペーストのフリットだが、それをアオリイカを使用して表現。盛り付けられているのは、陶芸家、内田智裕氏作のろくろ線が美しい白磁のプレート。「師匠の教えを大切にしながら自分のオリジナリティーも表現する作風が、自分の料理と重なるように思います」と大佐古氏。伝統と革新が融合する料理の数々を、ペアリングのドリンクとともに楽しみたい。

  • 「アオリイカのパネッレ」。ヒヨコ豆のペーストとイカ墨を使ったフリットの上に、熟成させたアオリイカをのせたひと品。

  • 「パッパルデッレ スッポンの赤ワイン煮込み」。伝統的にはイノシシの肉を使うパスタ料理だが、筋肉質やゼラチン質がスッポンと近いことからアレンジ。

  • 右から、北イタリアのスパークリングワイン「ジュリオ・フェッラーリ」(66,000円)、白ワインの「ガヤ・エ・レイ シャルドネ2022年」(66,000円)、赤ワインの「ガヤ コンテイザ1998年」(13万2,000円)。約9種のアルコールペアリングは17,600円~、ノンアルコールペアリングは8,800円。

  • シェフの大佐古氏とソムリエの桑原克也氏。

【大木氏おすすめPoint】イタリア料理では珍しい食材も登場する

 大佐古シェフは魚介の造詣が深く、鮎やスッポンのリゾットなど技巧光る料理が魅力です。桑原ソムリエのペアリングは秀逸でノンアルも出色。プライベート感が特別な夜にぴったり。

Firmamento(フィルマメント)[東京]

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料理に集中して向き合うことができる空間。カウンター席の一人ひとりの料理の上に、スポットライトが当たる設計になっている。コース27,500円。

TEL 03-6810-8668
東京都中央区日本橋人形町2-7-13レイフォリア人形町3階
7:00PM(一斉スタート)~11:00PM
日曜休、不定休あり
※サービス料:10%

https://www.firmamento.tokyo/

隠れ家のような空間で、点心が主体のコース料理を

 「BLINDTIGER」は2025年10月に誕生した点心をメインにした料理を楽しむ店。1階はバーで、カクテルやワイン、黄酒(ホワンチュウ)などのドリンクと、点心を含むバーフードをアラカルトで気軽に楽しめる空間。そして、秘密めいた階段を下りていくと厨房を囲むカウンターの空間が登場する。ここでは点心を主体にしたコース料理を提供。料理は10品前後で、ショートコース(9,900円)と15,000円のコースがある。アワビやフカヒレなど高級食材を使用して仕込む料理の数々は、ベテランの点心師の力量がいかんなく発揮される。

  • 15,000円のコースのなかから、せいろは蒸點心3種。「柔らかく煮たエゾアワビをのせた広東風焼売」「北海道産ホタテ&トビコの焼売」「台湾の豆苗炒めとエビ入り金魚に見立てた餃子」。下は「フカヒレの姿入りスープ餃子」。

  • 右から「台湾老酒20年」(100ミリリットル・2,200円)、「即墨老酒(ジーモーラオジョウ)」(100ミリリットル・1,300円)、「黒谷有机干紅(ヘイグー)」(100ミリリットル・1,700円)。有機古代農法の黒米を使用した黄酒。

【大木氏おすすめPoint】ベテラン点心師の技が光る粋な隠れ家

 まさに大人の隠れ家と呼びたくなる一軒です。地下のカウンター席で目の前のキッチンのライブ感を楽しみながら、香港系の本格点心を楽しめます。日本産スピリッツのカクテルも充実しています。

BLINDTIGER(ブラインドタイガー)[東京]

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バーの地下に広がるカウンター主体の空間。

TEL 03-6277-2417
東京都港区白金3-17-18オーパスⅢ1階・地下1階
地下レストラン 5:30PM~11:00PM(最終入店8:00PM(1階バーの最終入店 9:30PM)、土・日・祝 5:00PM~)
月・火、年末年始休

https://www.instagram.com/blindtiger_dimsum_/

ソースを味わう正統派フランス料理

 フランスで研鑽を積み、東京の名店で料理長を務めた入砂俊重(いりすなとししげ)氏が、2025年10月にオープンした「オパラン」。店名はフランス語で宝石のオパールを意味し、訪れる人にオパールの色のような、穏やかな雰囲気のなかで食事を楽しんでほしいと名付けられた。ソースを味わう正統派フランス料理を、マダムの原田桂子氏が温かみあふれる接客で盛りあげる。メニューはアミューズから始まり前菜2品、魚、肉料理、デザートで構成されるコース(14,520円)を基本に、好みに合わせて選べるコース(10,285円)を、月替わりで展開する。

  • 手前は「フォアグラのポワレ フランボワーズソース」。奥は「スズキとオマールエビのカイエット風ソースシヴェ」。網脂でスズキとオマールエビ、シャンピニオンデュクセル(キノコのペースト)を包み込み、オーブンで焼きあげたひと品。いずれもコース料理のなかの一例。

  • 右はブルゴーニュの白ワイン「ドメーヌ・ジャコブ オート・コート・ド・ボーヌ ブラン2022年」(グラス2,662円)。左はフォアグラに合わせて選んだハンガリーの貴腐ワイン「ドメーヌ・ディズノク トカイ フルミント レイト ハーベスト2021年」(グラス1,815円)。

  • シェフの入砂俊重氏とマダムの原田桂子氏。

【大木氏おすすめPoint】こぢんまりと上品な空間で本格フレンチを

 実力派シェフと快活なマダムの理想のコンビ。サヴィニャックの絵が和ませる12席の空間で、季節の香り高いソースが光る本格フレンチを堪能できます。フレンチ入門編としてもおすすめの一軒です。

オパラン[東京]

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和やかな雰囲気の店内。

TEL 070-6479-7122
東京都渋谷区恵比寿1-16-29
5:00PM~8:00PM(料理L.O.)
火・水、年末年始休
※サービス料:10%

https://www.instagram.com/opaline_ebisu_restaurant/

監修

大木淳夫氏

おおきあつお 1965年東京生まれ。学習院大学卒。2001年『東京最高のレストラン』(ぴあ)を創刊、編集長となる。編集担当作品に『随筆一食入魂』(小山薫堂著)、『新時代の江戸前鮨がわかる本』(早川光著)ほか多数。また「食べログマガジン」で「大木淳夫の新店アドレス」を連載、堀江貴文主催のグルメサイト「TERIYAKI」のテリヤキストとしてウェブメディアでも執筆。「料理レシピ本大賞 in Japan」特別選考委員。著書に『50歳からの美食入門』(中央公論新社)がある。

取材・文/土井ゆう子 写真/伏木 博
●取材時期:2026年6月中旬
※価格は消費税・サービス料込。
L.O.=ラストオーダー
※掲載内容は店舗の諸事情により変更となる場合があります。

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