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佐賀県

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おいしいもの探訪【佐賀県】

日本のおいしいものを紹介する旅。
今回は佐賀県から。
その町から生まれたおいしいものが、
地元で愛される味になるまでを紹介します。

2026.05.20

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日本酒

伝統と革新が響き合う、花酵母での酒造り

左から「天吹 純米大吟醸 愛山」(720ミリリットル・3,630円)、「天吹 生酛純米大吟醸 雄町」(720ミリリットル・2,662円)、フレッシュな香りが楽しめる「天吹 純米大吟醸 バナナ酵母 生」(720ミリリットル・2,130円)。

 九州有数の穀倉地帯・佐賀平野と、脊振(せふり)山地を望む自然豊かな地に、江戸初期の1688(元禄元)年に創業した「天吹酒造(あまぶきしゅぞう)」。脊振山系の伏流水と吟味した酒米、そして平成生まれの新しい酵母・花酵母を用いて酒を醸している。
 「花酵母は、花によって味わいや香りにはっきりと違いがあり、どの酵母も個性豊か。日本の新たな魅力を引き出してくれます」と11代目蔵元の木下壮太郎氏。オシロイバナの花酵母を使用した、華やかな吟醸香が際立つ「天吹 純米大吟醸 愛山」は、国際的な酒類品評会「ミラノ酒チャレンジ2025」で酒テイスティング部門の最高賞であるプラチナ賞を受賞。ほかの酒も国内外の品評会で高く評価されている。

 酒造りに使う米は全国から厳選しているが、現在は佐賀平野で収穫されたものを多く使用。「酒蔵の地域貢献として、国際品評会は佐賀の米のおいしさを海外に知ってもらえる好機。なにより、田んぼが一面に広がるふるさとの風景を、孫の代まで守りたい」と話す木下氏。300年以上続く酒蔵の、100年先を見据えた取り組みだ。

杜氏の井上竜太朗氏。国の登録有形文化財である仕込蔵などは見学可能(要予約)。

天吹酒造

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TEL 0942-89-2001
佐賀県三養基郡みやき町東尾2894
長崎自動車道東脊振ICから車で約15分
JR九州新幹線久留米駅から車で約10分
8:00AM~正午、1:00PM~5:00PM(酒蔵見学受付 9:00AM~10:30AM、1:30PM~3:30PM ※見学無料、1週間以上前に要予約)
土・日・祝休

https://www.amabuki.co.jp/

周辺情報

「天吹酒造」から車で15分程のところにある国の特別史跡・吉野ヶ里遺跡は、日本最大級の弥生時代の遺跡。吉野ヶ里歴史公園として整備され、98棟の弥生時代の建物が復元されているほか、往時の暮らしの様子が再現されている。

フランス料理

特別な日に選ばれる心尽くしの美食

「小皿コース プレミアム」(7,260円・サービス料込・注文は2名分~。内容は時期により異なる)。「フォアグラのフラン」(左奥のスープの手前)か「自家製ソーセージ」(中央右)をいずれか選べる。

 1969(昭和44)年に創業し、1991年より現在の地で歴史を刻む「シャトー文雅(ぶんが)」。店名には、フランスの郊外にあるシャトーレストランのように遠方からでも行きたくなる店に、との想いが込められており、南仏の古城をイメージして造られた建物や、赤い椅子が配されたクラシカルモダンな店内には優美な雰囲気が漂う。

 提供するのは、佐賀の旬の食材を当地の感性に合わせて仕立てる文雅流フランス料理。料理人として長くシャトー文雅に勤め、創業者から店を受け継いだ現社長の室屋昭二氏は「予約の多くが誕生日や結婚記念日など、特別な日のご利用です。ゆったりと至福の時を過ごしていただけるよう、料理の味、盛り付けはもちろん、サービスや空間などトータルなおもてなしを大切にしています」と語る。全11皿が味わえる「小皿コース プレミアム」は、「おいしいものを少しずつ、でもいろいろ味わいたい」というゲストの声を受けて生まれたもの。「これからもこの地でお客様とともに、お客様のためのシャトー文雅を追求していきたい」と室屋氏は言葉を結んだ。

シャトー文雅

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TEL 0952-62-5444
佐賀市大和町久池井2592-1
長崎自動車道佐賀大和ICから車で約1分
JR長崎本線佐賀駅から車で約15分
11:30AM~2:30PM(L.O.)、5:30PM~8:00PM(L.O.)
月・火(祝日の場合は翌平日)休

https://www.bunga.jp/

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お取り寄せはこちらから

「シャトー文雅」を不動の人気店に押し上げた「国産牛ビーフカレー」(右・810円)や、「黒毛和牛ビーフシチュー」(左・1,620円)、オリジナルドレッシングなどが購入できる。

https://bunga.shop-pro.jp

周辺情報

「シャトー文雅」から車で5~15分圏内には小さな温泉地が点在している。古湯温泉や熊の川温泉、川上峡温泉などがあり、昔ながらの温泉宿のほか、リブランドによってモダンにリニューアルされたホテルも揃う。

鯉料理

清らかな水が育んだ、みずみずしい鯉を堪能

「鯉のあらい(鯉こく付)」(1名分2,200円・写真のあらいは2名分)。あらいは自家製の酢味噌で味わい、柚子コショウ(奥)は好みで。鯉こくはひとり2杯までおかわりできる。

 かつて環境庁(現・環境省)の名水百選に選定された清水川(きよみずがわ)。その清流で晒(さら)した鯉を使った鯉料理が名物の小城(おぎ)市清水地区には、現在8つの専門店が軒を連ねており、「鯉料理 白滝」もそのひとつだ。

 この店では、清水川から水を引いた生け簀(す)で鯉を約2〜3週間晒し、臭みを十分抜いてから使用。鯉のあらい(刺身)は作り置きはせず、注文が入ってから捌(さば)くという。調理を担う3代目店主の池田修二氏は、鯉の目利きにこだわり、あらいに適さないと判断した鯉は鯉こく(味噌汁)にするそうだ。おかみの池田友里江氏は、「店主はお客様に最高のあらいを提供したいという想いが強いんです」と微笑む。「直前まで清流に晒した鯉を使う当店のあらいは、身が引き締まっていて、澄んだ水のようなみずみずしい味わい。川魚を敬遠せず、コリコリとした食感とともにお楽しみください」と友里江氏。タウリンやコラーゲンを豊富に含む鯉は、滋養強壮にももってこい。人気店のため、訪れる際は予約したい。

座席はすべて個室タイプで、座敷席や掘りごたつ席などがある。

鯉料理 白滝

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TEL 0952-73-3323
佐賀県小城市小城町松尾2282-2
長崎自動車道小城スマートICから車で約3分
JR唐津線小城駅から車で約10分
正午~3:30PM(L.O.)
火曜休

http://www.koi-shirataki.jp/

周辺情報

「鯉料理 白滝」から徒歩20分程のところにある「清水(きよみず)の滝」。清水川の上流に位置する滝で、高さ約75メートル、幅約13メートルあり、清流が垂直に流れ落ちる様は圧巻。夏は避暑、秋は紅葉を目的とした多くの観光客でにぎわう。

取材・文/宮本喜代美 写真/松隈直樹
●取材時期:2025年11月下旬
L.O.=ラストオーダー
※価格は消費税込。
※価格など掲載内容は施設や店舗の諸事情により変更となる場合があります。

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