温泉、ゴルフ、歴史…… ひとクラス上のおこもり宿とは 新潟県/北海道/沖縄県/愛知県/富山県の代表イメージ

旅行 国内特集

“おこもり”は冬のぜいたく

温泉、ゴルフ、歴史……
ひとクラス上のおこもり宿とは
新潟県/北海道/沖縄県/愛知県/富山県

妙高山中腹に立つ「赤倉観光ホテル」から見下ろす雲海の絶景。

絶景に加え、ぜいたくな空間、その地ならではの美食、温泉、アクティビティーなど、唯一無二の魅力をもつホテルがある。滞在そのものを愉しむ“おこもり”旅にぴったりの、選りすぐりのホテルを各地からご紹介しよう。

2025.11.14

TAGS

絶景×温泉

雲海がたなびく遮るもののない眺め

「温泉露天テラス付客室」からは雲海が見られることも。

 越後富士とも呼ばれ、美しい山容に気品をたたえる妙高山。その中腹に自然湧出する赤倉温泉の源泉を有する「赤倉観光ホテル」は、1937(昭和12)年創業。高原リゾートホテルの草分け的存在である。赤い屋根に白い壁の外観はスイスの山岳リゾートを思わせる。クラシックホテルの風格が随所に息づき、歴史と伝統に培われたホスピタリティーが、ここならではの上質な時間を演出する。

湧き水をたたえた水盤越しに、雲海が広がる「アクア ダイニング」。標高約1000メートルから見下ろす景色は、刻一刻と変化していく。夜はライトアップで幻想的な雰囲気に。

 赤いじゅうたんが敷かれた格調高いインテリアのメインダイニングでは、多くの賓客をもてなしてきた正統派フレンチを。一方、プレミアム棟の「アクア ダイニング」では、遮るもののない絶景とともに洋食創作料理を味わえる。源泉かけ流しの温泉を楽しめる大浴場や、客室からの眺めも開放感たっぷり。白銀の世界に包まれる冬も美しい。

  • 大きな窓が配されたアクア ダイニングは、朝食から夕食まで提供するオールデイダイニング。

  • アクア ダイニングの洋食創作料理はディナーコースで。旬の味覚や厳選食材を使用している。

  • プレミアム棟の露天風呂付客室。テラスにある露天風呂は深めの設計で、ゆったりと湯あみを楽しめる。

赤倉観光ホテル

TEL 0255-87-2501
新潟県妙高市田切216
おひとり様1泊2食付37,500円~(サービス料込・入湯税150円別)

https://www.akr-hotel.com/

絶景×サウナ

流氷の海と至高のととのい体験

ホテルの目の前にオホーツク海が広がっており、ロビーや大浴場、一部の客室からは、海岸線まで流氷が迫るスケールの大きな風景を楽しめる。

 世界遺産・知床にある8階建て大型リゾート「北こぶし知床 ホテル&リゾート」。客室はサウナや露天風呂が付いたスイートのほか、多彩なタイプを用意する。レストランは、オープンカウンターで腕をふるうシェフに直接オーダーするスタイル。知床にまつわるアートや本を配したラウンジ、温泉展望大浴場、ジムなどの施設も充実する。オールインクルーシブなので追加料金はなくストレスフリー、ゆったりとした時間が約束される。

  • 「オホーツク倶楽部サウナ付スパスイート」はウォールナットカラーの落ち着いたデザイン。

  • レストラン「the LIFE TABLE」のコースブッフェのひと皿。オープンカウンター越しにシェフとの会話を楽しみながら料理を受け取る。

 特筆すべきは、数々の賞を受賞してきたサウナだ。今年は「World Sauna Award『SAUNA37』2025」で、世界のディスティネーションサウナ37施設にノミネート。窓からは知床の山並みや海、冬には流氷が見える。景色のいいサウナでの“ととのい体験”は究極のぜいたくだ。

2種類あるサウナには窓が設置され、いずれもオホーツク海を望む。写真は木の洞窟をイメージした「UNEUNA(ウネウナ)」。

北こぶし知床 ホテル&リゾート

TEL 0152-24-2021(平日10:00AM~6:00PM)
北海道斜里郡斜里町ウトロ東172
おひとり様1泊2食付27,500円~(客室タイプ無指定、サービス料込・入湯税300円別)

https://www.shiretoko.co.jp/

絶景×ゴルフ

東シナ海を望む大人のためのゴルフリゾート

 沖縄本島有数のリゾートエリア・恩納村(おんなそん)にあって、亜熱帯の森のなかに立つ「ジ・アッタテラス クラブタワーズ」は隠れ家のようなホテルだ。東シナ海や恩納岳の眺望を楽しめる客室をはじめ、4つのレストランやバーを備え、思いのままにくつろぎの時間を過ごせる。南フランス・コルシカ島のスターシェフが監修した特別ディナーも用意され、自家菜園の野菜が主役の洗練された料理を味わえる。

  • 森から海に向かって開かれたインフィニティプール。プールサイドでは、ライトミールやカクテルなどをオーダーできる。

  • 森のなかにたたずむホテルは、喧騒から隔離された非日常空間。

  • 東シナ海の眺望をひとり占めできるテラススイート。全室52平方メートル以上の広さが確保され、開放感たっぷり。

 ホテルのすぐ横にあるのは、18ホール・パー72の本格的なゴルフ場「ジ・アッタテラス ゴルフリゾート」。自然の地形を生かしたクオリティーの高いコースとして定評がある。青い空と海、恩納岳から続くなだらかな稜線(りょうせん)を借景に亜熱帯の深い緑と花々が彩りを添え、ラグジュアリーなリゾートゴルフを満喫できるだろう。

海を望む壮大なパノラマと変化に富んだフェアウェイを楽しめるゴルフコース。ホテルゲストは優待料金でプレーできる。

ジ・アッタテラス クラブタワーズ

TEL 098-983-3333
沖縄県国頭郡恩納村安富祖1079
おひとり様1泊朝食付46,400円~(ゴルフプレー付・サービス料込)

https://www.terrace.co.jp/clubtowers/

絶景×歴史

名城に見守られてやすらぎの時間を

 国宝・犬山城と茶室「如庵(じょあん)」のある日本庭園・有楽苑(うらくえん)に囲まれた、特別な地に立つ「ホテルインディゴ犬山有楽苑」。ホテルのロビーに入ると、大きなガラス窓の向こうに犬山城の天守が現れる。犬山城天守は現存する日本最古のもの。織田家から豊臣方、徳川方へと城主が替わり、まさに日本の歴史をつくった城のひとつである。隣接する有楽苑は、受付でホテルのルームキーを提示することで入場でき、織田信長の実弟・有楽斎の茶室や住居を観賞できる。

  • レストランのテラス席から眺める、犬山城。水盤と庭園、緑の丘と相まって一幅の絵のようだ。庭園は9つのゾーンで構成され、表情の違いを感じながら散策路を歩くのも楽しい。

  • ロビーに入ると正面に犬山城が見え、思わず息を吞む。和風建築の伝統を取り入れながら、館内はモダンで居心地がよい。

 犬山城と近くを流れる木曽川、あるいは有楽苑を見晴らせる客室もある。すべての部屋にテラスを備え、インテリアはモダンで明るく遊び心満載だ。もっとリラックスするなら肌にやさしい温泉へ。竹林に囲まれた開放感あふれる露天風呂やサウナもあり、歴史に思いを馳せながら湯に浸かるのは、このうえないくつろぎの時間だ。

  • 客室には犬山城から木曽川、城下町を見渡す景色を描いた浮世絵のアートウォールが。

  • 美肌効果があるという「白帝の湯」。落ち着いた浴場の空間は非日常にいざなってくれる。

ホテルインディゴ犬山有楽苑

TEL 0568-61-2211
愛知県犬山市犬山北古券103-1
おひとり様1泊朝食付34,500円~(サービス料込・入湯税150円別)

https://inuyama.hotelindigo.com/

絶景×美食

富山の自然とつながる豊かなひと皿

 富山市にあった、レストラン「Cuisine régionale L’évo(キュイジーヌ レジナオル レヴォ)」が、日本の原風景と手つかずの自然が残る南砺市利賀村(なんとしとがむら)でオーベルジュとして移転オープンし、5年が経つ。オーナーシェフの谷口英司氏は自身の集大成となるレストランを創りあげ、前衛的な地方料理を提供している。

  • 渓谷の自然に包まれながらゆったり過ごせる珠玉のオーベルジュ。

  • オーナーシェフの谷口氏。『ミシュランガイド北陸2021特別版』に二ツ星で掲載され、『ゴ・エ・ミヨ2022』では2017年に続き2度目の「今年のシェフ賞」を受賞。

 レストラン棟に隣接するレヴォファームは谷口氏が自ら耕し、土にこだわった畑で、料理をイメージしながら野菜を作っている。ここで育てた野菜やハーブをメインに、天然の山菜、地元でとれるジビエなどを使い、究極の地産地消を追求。谷口氏のアイデアで富山の食材を自在に操り、唯一無二のひと皿に仕立てている。L’évoのために造られたワインや地ビール、日本酒とのマリアージュを楽しめる。
 ダイニングはオープンキッチンを中心に、カウンター席やテーブル席、個室が配されている。テーブルから照明、器、カトラリーまでフルオーダーであつらえ、食事を楽しむための空間を創りあげた。ジビエの熟成庫やワインセラー、パン小屋まであり、どれをとっても妥協はない。

  • ニホンジカなどのジビエは冬の定番。谷口氏が自ら皮を剝ぎさばいて、熟成庫で寝かせてから調理する。常識にとらわれず、富山の食材を使いこなすのが谷口流。器やカトラリーにもこだわっている。

  • 森の腐葉土で包み焼きにした、利賀村在来種の赤カブ。

  • ゼンマイとウニに、ツキノワグマもも肉の薪火焼きを合わせたひと皿「月ノ輪熊」。

 敷地内には3棟のコテージがあり、1日3組まで宿泊することができる。大きな窓があり、家具や建具を再利用して現代風にアレンジした空間が広がる。本場フィンランド式のサウナ小屋があるので、夕食までにひと汗流すのもいいだろう。理想のオーベルジュのかたちを利賀村でかなえている。

  • 古民家の木製格子戸を、現代的なデザインの間仕切りにした「コテージ1」。

  • 富山のなかでも利賀村はとくに雪深い。冬のL’évoも美しい。

Cuisine régionale L’évo

TEL 0763-68-2115
富山県南砺市利賀村大勘場田島100
おひとり様1泊2食付78,850円~
※サービス料:10%
水、第1・3火休

https://levo.toyama.jp/

取材・文/山口あゆみ、坂本真由美
●取材時期:2025年6月下旬
※価格は消費税込。 ※宿泊料金は2名1室利用時。
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。

ページトップへ戻る