高級リゾートの宝庫であるセントーサ島に、名門ラッフルズがシンガポールにおける2軒目をオープン。最旬のラグジュアリーホテルで充実のひとときを過ごしたい。合わせて、ティータイムの伝統が根付くシンガポールの優雅なアフタヌーンティーを愉しもう。
2025.6.12
伝統とモダンが出合う最新ラッフルズ
現在のシンガポールの礎を築いたのが、当時東インド会社の社員だったトーマス・スタンフォード・ラッフルズ。自由港シンガポールに来る人々を迎えるため、彼の名を冠した「ラッフルズ ホテル シンガポール」がオープンしたのが1887年のこと。以来輝かしい名声を築いてきた。
それから138年後の今年3月1日、シンガポールにおけるラッフルズの2軒目がセントーサ島にオープンした。何気ないワインディングロードを上ると、決して大きくはないがシックなエントランスが現れる。ドアマンとバトラーに優雅に迎えられ、美しいフラワーデコレーションがアクセントのラッフルズルームでカクテル「セントーサ・スリング」を。その後はロールス・ロイス製のクラシックなカートでヴィラへ。
まるで植物園のように緑と花があふれる敷地に、62室のヴィラが点在する。どのヴィラもモダンで上品なグレージュトーンのインテリアや、プライベートプールを備える。また専任のバトラーが付き、滞在中不自由もなく過ごせるという。和食、イタリア料理、広東料理などダイニングも多彩で、すべてヴィラで味わうことが可能だ。
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「ラッフルズ セントーサ シンガポール」の敷地内にはカーブのついた小径が巡り、庭のさまざまな景観が楽しめるよう設計されている。
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「1ベッドルームプールヴィラ」。プールと庭があり、まるでプライベートな邸宅に滞在しているよう。
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モダンなフラワーアレンジが印象的なロビー。奥は過ぎし日のスピークイージーバーをイメージしたチェアマンズルーム。
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ラッフルズ セントーサ シンガポールオリジナルのエレクトロニックカート。
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穏やかで優雅な出迎えはラッフルズの伝統。
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ラッププールも緑に囲まれている。
砂浜が美しく、静かな波が寄せるタンジョン・ビーチに近く、散歩がてらビーチに行くのもおすすめだ。自然保護区と接しているので、クジャクをはじめとする色とりどりの鳥たちやリスなどに迎えられるかもしれない。
ビジネスセンターでもあるシンガポールでは、こうした自然と静寂に包まれる滞在こそ、最高のぜいたくといえるだろう。

ラッフルズ セントーサ シンガポール Raffles Sentosa Singapore
TEL 65-6032-4688
4 Bukit Manis Road, Sentosa, Singapore
アフタヌーンティーでくつろぐリゾート時間
イギリス文化の影響が濃いシンガポールには、ティータイムの伝統が根付いている。一方でさまざまな文化が反映されたアフタヌーンティーが味わえるのも魅力だ。
ソフィテル シンガポール セントーサ リゾート & スパの「ルバー」は目にも華やかな、フレンチ・トロピカル・アフタヌーンティーが自慢。シャンパーニュと一緒にセイボリーを味わえば、昼下がりの時間はあっという間に過ぎてしまう。
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「ソフィテル シンガポール セントーサ リゾート & スパ」にある「ルバー」ではオリジナルカクテルも試したい。
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「セントーサ・アフタヌーンティー」(S$44)。お茶やコーヒーはフリーフロー。季節ごとにテーマをもったアフタヌーンティーが登場する。
シンガポール本島でもぜひ立ち寄ってほしいのが、ベイエリアにある「ナショナルキッチン バイ ヴァイオレット・オン シンガポール」。ナショナルギャラリーのテラスにあるテーブル席でベイエリアを見渡しながらコロニアルな雰囲気が楽しめる。そして中華とマレーの食文化が融合したプラナカン料理の研究家であるヴァイオレット・オン氏による、セイボリーとハーブをブレンドした体によいお茶をいただける。
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テラス席ではナショナルギャラリーの建築を楽しみたい。
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プラナカン料理でアフタヌーンティー。「クーパイティ」(中央)はセイボリーの代表。エビのうまみがきいた甘辛の具がクリスピーなタルトに詰めてある。
インド、スリランカ、マレーシアなど茶葉の産地に近く、さまざまなお茶のブランドがあるのもシンガポールならではである。
「ザ 1872 クリッパーティー」はその名のとおり、1872年創業。スリランカからジュエリーを輸入していた初代がスリランカの紅茶を広めたいと始めた。いまは5代目が厳選した茶葉でさまざまなフレーバーのお茶を作っている。ラッフルズ ホテルのオリジナルブレンドもここが手がける。
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上質な紅茶のブランドとして長年親しまれてきた。明るい店内にさまざまなフレーバーが揃う。人気はラッフルズのオリジナルブレンド(S$40)と、「ライチーフェスタ」(S$29)。
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店内では好きなお茶と一緒にクリームパフを。
近年は紅茶だけでなく、コーヒーも人気だ。モロッコのマラケシュに発祥をもつ「バシャ コーヒー」はクラシカルで豪奢(ごうしゃ)なパッケージ、多彩な味わいで人気急上昇中。エキゾチックなみやげとして喜ばれるに違いない。
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35の国と地域からの200種以上のアラビカ種コーヒーが揃う。
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店内ではコーヒーマスターが好みを聞いてコーヒーを選んでくれる。コーヒーやモロッコにインスパイアされたオリジナルスイーツを味わえるスペースもある。
ルバー LeBar
JCB優待
TEL 65-6708-8362
Sofitel Singapore Sentosa Resort & Spa内
正午~11:00PM(アフタヌーンティー1:00PM~5:00PM)
無休
ナショナルキッチン バイ ヴァイオレット・オン シンガポール National Kitchen by Violet Oon Singapore
TEL 65-9834-9935
1 St. Andrew's Road #02-01, National Gallery Singapore(City Hall Wing), Singapore
ランチ 正午~2:30PM(L.O.)
ハイティー 3:00PM~4:00PM(L.O.)
ディナー 6:00PM~9:30PM(L.O.)
無休(ディナーは金~日のみ)
https://violetoon.com/national-kitchen-by-violet-oon-national-gallery-singapore/
ザ 1872 クリッパーティー IONオーチャード店 The 1872 Clipper Tea Co.ION Orchard
TEL 65-6509-8745
2 Orchard Turn, #B4-07 Singapore
10:00AM~10:00PM
無休
バシャ コーヒー ION オーチャード店 Bacha Coffee ION Orchard
JCB優待
TEL 65-6363-1910
2 Orchard Turn, #01-15/16 Ground floor, Singapore
9:30AM~10:00PM
無休
取材・文/山口あゆみ 写真/入江啓祐
※L.O.=ラストオーダー
●取材時期:2025年2月上旬
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。