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福岡の食と街のさらなる魅力

「博多 田中田 本店」の「対馬産のどぐろの煮付け」(7,000円 ※価格は時価。時期や魚の大きさにより異なる)。

「旅の目的はグルメ」、そんな声も多く聞かれる福岡。とくに福岡市では、都市再開発事業「天神ビッグバン」にともない新たなランドマークが登場し、さらに活気を帯びている。食の街・福岡の中心地で、最旬グルメや居酒屋料理を楽しむ旅へ出かけよう。

2025.5.23

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進化する福岡の街と食

 2015年から実施されている都市再開発事業「天神ビッグバン」。福岡市の中心部・天神は、100年に1度ともいわれる大規模再開発が進み、2026年末までに約70棟のビルの建て替えが完了する予定だ。すでにハイグレードな商業ビルやオフィスが続々と開業し、建て替えに伴って緑化が充実。アート作品も設置されるなど、様変わりする街は以前にも増して活気にあふれている。

1873(明治6)年開校、2014年閉校の大名小学校の跡地に立つ「福岡大名ガーデンシティ」。かつての校庭は約3000平方メートルの広場となっている。

 2022年に竣工した「福岡大名ガーデンシティ」はホテル、オフィス、商業・公共施設などからなる複合施設で、天神ビッグバンにより誕生したビルのなかで最大級の規模と高さを誇る。その18階から24階に位置するのが「ザ・リッツ・カールトン福岡」だ。全室50平方メートル以上のラグジュアリーホテルで、館内は伝統的工芸品の絹織物「博多織」などから着想を得た、洗練された空間。国家戦略特区による高さ制限の緩和後に開業したホテルのため眺望がすばらしく、とくに博多湾側は、玄界灘に浮かぶ島々まで見渡せて開放感抜群だ。

  • 23階にある「プレジデンシャルスイート」。博多湾を行き交う船の風景など、約132平方メートルある客室の大きな窓から眺望が楽しめる。客室は167室、うちスイートは20室。

  • ホテル最上階にあるスパ。プール、ジム、スチーム&ドライサウナなどを備える。宿泊ゲスト、スパゲスト、スパメンバーシップ会員が利用できる。

  • プレジデンシャルスイートのバスルーム。

  • バスルームにはフランス・パリのフレグランスメゾン、ディプティックのアメニティーを用意。

 館内には4つのレストランと2つのバーがあり、レストラン「幻珠(げんじゅ)」では、会席、鮨、そしてライブ感のあるカウンター席で九州産の旬の食材を生かした鉄板焼が堪能できる。

  • 鉄板焼のコース「真珠」(32,000円・サービス料込)の一例。ステーキには長崎県の壱岐牛をはじめ九州産特選ブランド和牛のフィレまたはロースを使用。

  • 6名まで利用できる鉄板焼の個室(個室料金33,000円)。

 また福岡大名ガーデンシティの1、2階には、西日本初上陸の店を含む12の飲食店が軒を連ねる。2階の「西村や」は、フュージョン料理のシェフとして知られる、福岡県出身の西村貴仁氏が監修したレストラン。昼はオリジナリティーあふれるニシムラ麺や、創作料理がコース仕立てで味わえる「西村やのミニコース」(2800円)などを、夜はコース料理(3800円〜)を提供。カジュアルな雰囲気の店内でジャンルレスなフュージョン料理を楽しみたい。

  • 「マグレ鴨のスモーク」(480円)などのアラカルトも。「グラス白ワイン」(870円)。

  • カウンター席もあり気軽に利用できる。

  • 「炊き立てご飯セット ポークくりーみー」(1,480円)。ニシムラ麺のなかでも人気のポークくりーみーのスープは、豚骨ベースに和風出汁や数種のチーズをブレンド。豚骨ラーメンの概念を覆す1杯だ。

ザ・リッツ・カールトン福岡

TEL 092-401-8888
福岡市中央区大名2-6-50福岡大名ガーデンシティ
1泊1室2名10万2,200円~(室料。サービス料込・宿泊税おひとり様1泊500円別)

https://www.ritzcarlton.com/ja/hotels/fukrz-the-ritz-carlton-fukuoka/

幻珠

TEL 092-401-8882
会席、鉄板焼 11:30AM~2:00PM(L.O.)、5:30PM~9:30PM(L.O.)
鮨 正午~、1:00PM~、6:00PM~、7:30PM~(各時一斉スタート)
無休

https://genjyu.ritzcarltonfukuoka.com/

西村や

TEL 092-791-6656
福岡市中央区大名2-6-50福岡大名ガーデンシティ2階
11:00AM~3:00PM(L.O.)、5:30PM~9:00PM(L.O.)
休みは施設に準ずる

https://nishimura-takahito.com/nishimura/nishimuraya/

さらに深く、福岡の居酒屋シーンを愉しむ

 福岡らしいにぎわいを感じながら上質な食事を味わいたいなら、店主との語らいも楽しい、カウンター席のある店に出かけたい。
 2021年にオープンした「らりご」は、定番から独創的な料理まで揃う新進気鋭の店。ポテトサラダといったおなじみのメニューも、手間をかけておいしさが追求されており、味わい深いひと品となっている。また、その日の仕入れ状況により、メニュー表に記載のない品がある日も。「食べるのも飲むのも大好き」という朗らかな店主・安部佳介氏に本日のおすすめを尋ねながら、気分に合った酒と肴を選びたい。

  • 自家製ニラしょうゆで味わう「牛たたきニラ醤油」(2,500円)、「大分名物とり天」(900円)。とり天は、大分県出身の安部氏が改良を重ねて完成させた渾身のひと品。今年3月からはとり天ランチもスタート。

  • ジャズが流れるシックな店内には、テーブル席もある。

  • 注文が入ってから炊く「牛しぐれと蓮根の土鍋ごはん」(2,400円)。

 魚料理を味わうなら「お魚ことら」へ。店主・耳塚達也氏は、8年間和食の修業を積んだ後、高級魚を扱う鮮魚店で魚の目利きや仕入れを約1年学び、独立。長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場)で毎朝仕入れる魚介類を使った料理は、刺身、手巻き寿司、クリームコロッケとバラエティーに富む。日本酒とワインは耳塚氏が納得したものだけをラインアップ。土日祝日は正午からの営業で、早い時間から一献傾けることもできる。

  • 「甘鯛うろこ揚焼」(2,200円)、ほとんどの人が注文するという「カニクリームコロッケ」(1個・715円)。日本酒は1合・770円~。

  • 6~7種の旬の魚が味わえる「刺身盛合せ」(1名分・1,760円。写真は2名分)。

  • 「お好みの魚を、煮る・焼く・蒸すと希望の調理でお出しします。気軽にお声がけを」と店主の耳塚氏(写真左)。奥にはテーブル席も。

 福岡を代表する居酒屋のひとつであり、現在、東京にも店舗を構える田中田の原点が「博多 田中田 本店」だ。ごまさばや博多がめ煮といった福岡らしい料理を中心に、厳選した高級食材で作る居酒屋料理を用意する。価格は少々値が張るが、ゲストの要望に合わせて臨機応変に料理のボリュームなどを調整。さらに、事前に予算を伝えておけば、スタッフがいいころ合いで声をかけてくれるので安心して味わおう。また、変化を重ねて進化する田中田らしく、今年5月に店舗の改装を行い、田中田の味はそのままに、変更となる部分もあるという。リニューアル後にも期待したい。

  • 手前から、とろける味わいの「馬刺(霜降り)」(4,000円)、名物「ごまさば(サバのゴマ醤油和え)」(2,800円)と「ぜいたく丼(うに・トロ・いくら)」(7,000円)(価格はすべて時価)。すべてハーフやミニサイズ、1.5倍盛り、また1尾を4等分になど、量や切り分け方を要望に合わせてくれる。日本酒は酒器小(約150㎖)820円~。

  • この道30年以上。調理場やホールスタッフを束ねる料理長の篠田健吾氏。

  • シックで上質な雰囲気の店内(改装前)。

らりご

TEL 092-406-6407
福岡市中央区高砂2-8-15
11:30AM~1:00PM(L.O.)、6:00PM~0:00AM(深夜)
日曜休(ランチは日・月休) ※ほか不定休あり

https://www.rarigo-fukuoka.com/

お魚ことら

TEL 092-707-1960
福岡市中央区渡辺通5-3-23-1 プロスペリタ天神II 2階-A
6:00PM~翌1:30AM(L.O.)(土・日・祝 正午~9:00PM(L.O.))
月曜休 ※ほか不定休あり

https://www.instagram.com/kotora_tenjin/

博多 田中田 本店

TEL 092-522-1211
福岡市中央区清川3-16-19 アーバントップ清川1階
5:00PM~0:30AM(深夜)(日・祝 ~11:00PM)
月曜休 ※ほか不定休あり
※6月初旬まで店舗改装のため休み

http://tanakada.net/tanakada/index.php

取材・文/宮本喜代美 写真/松隈直樹

●取材時期:2025年1月下旬
※価格は消費税込。 L.O.=ラストオーダー
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。

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