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淡路島

淡路島、絶景温泉と美食を味わう

「ホテルニューアワジ別邸 あわじ浜離宮」の「Type H」に設けられた露天風呂。海を見晴らし開放的な気分を味わえる。

四方を海に囲まれた淡路島は、開放的でのどかな雰囲気が魅力。
鳴門海峡や瀬戸内海の風を感じながら、温泉リゾートで心豊かな時間を過ごし、
地元の名店では、素材を大切にした旬の料理を楽しみたい。

2025.5.19

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淡路島の温泉リゾートへ

 鳴門海峡を越えて淡路島へと渡る。大鳴門橋を見下ろすように立つ「グランドメルキュール淡路島リゾート&スパ」は、2024年4月にリブランドオープン。オールインクルーシブタイプで、宿泊料金にホテル内での夕食や朝食(ともにビュッフェ形式)、ドリンクなどの料金が含まれている。ビュッフェでは、淡路島産の食材にこだわった料理と、多国籍料理が見た目も鮮やかに並ぶ。夕食の前後の時間には、開放感のある1階のラウンジでドリンクを飲めるのもうれしい。
 「スーペリアツインルーム」は、リブランドにあわせてリニューアルした客室。鳴門の渦潮をイメージしたさわやかな色味と、シンプルなデザインが特徴だ。海側の客室からは、鳴門海峡や鳴門方面を一望できる。
 淡路島南西部の景勝地、慶野松原(けいまつばら)にたたずむロケーションを誇るのは、「ホテルニューアワジ別邸 あわじ浜離宮」。重厚でクラシックな雰囲気の建物のなかには、明治〜大正時代の洋館を思わせる、和と洋が融合した空間が広がる。象徴的なのはダイニングの「旬房 新淡(あらたん)」で、ステンドグラスとシャンデリアが豪華な雰囲気を演出。このノスタルジックな空間で、淡路島産の新鮮な魚介や、旬の野菜を生かした料理の数々を味わえる。
 客室は和のテイストを基調としている。大きな窓の向こうには、慶野松原の木立や浜辺の景色が広がる。最上階に位置する占有露天風呂付客室の「Type G」と「Type H」からは、播磨灘も見渡せる。刻々と表情を変える景色を眺めながら、非日常のぜいたくな時間を堪能しよう。

グランドメルキュール淡路島リゾート&スパ

  • 鳴門海峡を見渡せる客室「スーペリアツインルーム オーシャンビュー」。

  • 「淡路牛のしゃぶしゃぶやハモ料理など、淡路島産の食材を生かしたメニューをぜひ味わってください」と語る、料理長の榎本直記氏。

  • 夕食のビュッフェの一例。約80種類の料理が並び、「もなか寿司」など彩りの豊かさにこだわった料理も多い。

  • 温泉大浴場には、露天温泉岩風呂を併設。ともに「南淡(なんだん)温泉」を泉源とし、入浴後の体の温かさが持続しやすい泉質とされる。

ホテルニューアワジ別邸 あわじ浜離宮

  • Type Hでは、ゆったりとオーシャンビューを楽しめる。遠くにうっすらと見えるのは小豆島(香川県)。

  • 占有露天風呂付客室Type H。リビングのほか和室10帖、ツインルーム、露天風呂、ウッドテラスを備える。高さが約6メートルある窓からは播磨灘を一望できる。

  • Type Hに設けられた露天風呂。柔らかな湯ざわりの泉質を特徴とする「潮崎温泉」を源泉とする。

  • ダイニングの「旬房 新淡」には緋(ひ)色の絨毯(じゅうたん)が敷かれ、ステンドグラスやシャンデリアが高級感を演出する。

グランドメルキュール淡路島リゾート&スパ

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TEL03-6830-3932
兵庫県南あわじ市福良丙317
※2026年2月4日、5日に館内設備点検で休館予定
おひとり様 1泊2食付14,500円~(サービス料込・入湯税込)

https://grand-mercure-awajiisland-resortandspa.jp/

ホテルニューアワジ別邸 あわじ浜離宮

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TEL0570-079922
兵庫県南あわじ市松帆古津路970-81
おひとり様1泊2食付22,000円~(サービス料込・入湯税150円別)

https://www.awajihamarikyu.com/

名店と酒蔵で体感する淡路島の豊かな食文化

 食材に恵まれた淡路島で、夏に味わいたいのが名産のハモ料理。ハモは秋の産卵に向けて、脂がのる夏以降に旬を迎える。絶品のハモ料理を求めて、創業約40年の日本料理店「淡路島 さと味」へ。水揚げされたばかりの旬の魚を店内の水槽に入れ、鮮度抜群の魚を提供する店だ。店主の里見眞章(まさゆき)氏がこだわるハモ料理を、鍋料理や造り、天ぷらなどで味わえる「ハモすきコース」でぜひ堪能しよう。
 淡路島北部には、島内でわずかになった酒蔵のひとつ、「千年一酒造」がある。阪神淡路大震災で大きな被害に遭ったものの、地元の支援を受けて再建され、今年で創業150年を迎えた。「地元で栽培された米と、地元の水を使った酒造りを大切にしています」と語るのは、代表取締役の上野山善彦氏。アパレル関係の仕事を辞め、2010年に千年一酒造に入社し、いまでは杜氏(とうじ)として自ら酒造りを行う。酒蔵では上野山氏がこだわり抜いた日本酒を購入できる。
 淡路島では肉料理も外せない。淡路島で育てられた牛は「淡路牛」と呼ばれる。このうち、厳しい審査基準をクリアした年間200頭程の稀少な牛が、ブランド牛「淡路ビーフ」だ。「淡路ビーフのなかでも、とくに選りすぐったものを揃えています」と「ステーキハウスgenpei」のオーナーシェフ・吉田泰祐(たいすけ)氏は力強く話す。大阪湾越しに神戸市街を望む絶好のロケーションで、淡路ビーフや淡路牛を提供する。予約制の「ステーキ割烹おまかせコース」のほか、予約不要の「当日メニュー」もある。吉田氏が厳選したワインとのマリアージュに酔いしれて、鳴門と淡路島の旅を締めくくろう。

淡路島 さと味

  • 「ハモすきコース」(8,800円~)のイメージ。ハモと季節の野菜を寄せ鍋風のだしで煮込んだハモすきのほか、ハモの造り、天ぷら、照り焼き、寿司などが付く。

  • カウンター越しに店主の里見氏が豪快に魚をさばく様子を見ながら、生きのよい素材を味わえる。

  • 店主の里見氏(右)を中心に、家族で力を合わせて店を切り盛りしている。

千年一酒造

  • 日本酒造りに使われる、タンクが立ち並ぶ酒蔵。少人数の場合は、予約なしで自由に見学できる(無料)。

  • 右は大吟醸「千代の縁(えにし)」(720ミリリットル・5,885円)。さわやかな香りと口いっぱいに広がる優雅な味わい、すっきりとしたのど越しのよさに定評がある。左は淡路島産の山田錦を使った純米酒「穂(みのり)」(720ミリリットル・1,540円)。上質な口当たりとキレのある味わいが特徴。

  • 酒蔵を案内し、日本酒造りについて説明する上野山氏。

  • 玄関に掲げられた重厚な看板が、店の歴史を物語る。

ステーキハウスgenpei

  • 明石海峡大橋や大阪湾を眺められるカウンター席。

  • 「当日メニュー」の一例、「淡路牛のサーロインステーキ」(7,370円・120グラム)。肉の種類(淡路ビーフまたは淡路牛)や部位によって価格は異なる。メインの肉料理のほか、サラダ、野菜、赤出汁、ライス、コーヒーが付く。

  • 吉田氏は、実家の和食料理店などで修業を積んだ経験から、和食をベースにしたコース料理にこだわる。

淡路島 さと味

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TEL0799-36-2603
兵庫県南あわじ市湊284
11:30AM~1:30PM(L.O.)、5:30PM~8:00PM(L.O.)
火曜休 ※ほか不定休あり

https://www.satomi-awajishima.com/

千年一酒造

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TEL0799-74-2005
兵庫県淡路市久留麻2485-1
10:00AM~4:00PM
年末年始休

https://sennenichi.co.jp/

ステーキハウスgenpei

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TEL0799-73-2941
兵庫県淡路市岩屋923-4
11:00AM~2:00PM(L.O.)5:00PM~8:30PM(L.O.)
※コース料理は予約制で11:30AM~、1:00PM~、6:00PM~、7:30PM~
火曜、第2・4木曜休
※ほか月に2日の不定休あり

https://genpei.jp/steak_house/

坂 茂氏が手がけた建築物で心身をいやすリトリート体験

 2022年4月、淡路島北部の山間に浮かぶような斬新な建物が完成した。この建物は建築家・坂 茂(ばん しげる)氏の設計による「禅坊 靖寧(ぜんぼう せいねい)」で、禅やヨガ、リラクゼーションを体験できるリトリート施設。全長約100メートルの建物には日本杉などが使われている。2階のZENデッキでは、見渡す限り森が広がっている環境でZEN(禅体験)を体験できる。ZENにはとくに決まりはなく、自身が心地よいと思う姿勢を探ることを通じて、自身の内面と向き合えるだろう。
 施設は完全予約制のため、入場するには日帰りまたは宿泊のプランを予約する必要がある。例えば、1泊2日の「ZEN STAY」のほか、ランチやディナーを組み合わせた日帰りプランなどもある。滞在中は、発酵醸造料理人でシェフの伏木暢顕(ふしきのぶあき)氏の監修による「禅坊料理」が味わえる。禅坊料理とは、季節や体調の変化を考慮し、心と身体を整えてくれる食事。施設内は、必要のないものを極限まで削ぎ落としているため、客室もインテリアもシンプルなデザインだ。日常から切り離された環境で禅に集中し、心身のバランスを整えよう。

禅坊 靖寧

  • 建物は自然と一体化したデザイン。木のぬくもりと香りが感じられ、まるで宙に浮かんで森を見下ろしているような感覚になる。

  • 2階に設けられたZENデッキ。周囲の山の稜線を超えないように設計された施設。

  • 「禅坊料理」の食材は、なるべく淡路島産の旬のものを使用。身体にとって優しい食事を心がけ、動物性の食材や小麦粉、油、上白糖は一切使われていない。

  • 客室は禅寺の宿坊をイメージ。窓の外には、開放的な眺望が広がる。施設内のインテリアには、優れた木製家具として定評がある「HIDA」製を使用。

禅坊 靖寧

TEL0799-70-9087
兵庫県淡路市楠本場中2594-5
「ZEN STAY」48,000円~(サービス料別)
※完全予約制
不定休

https://zenbo-seinei.com/

取材・文/藪内成基 写真/中田浩資、禅坊 靖寧


●取材時期:2025年1月上旬 ※価格は消費税込。L.O.=ラストオーダー
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。

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