会席料理
鹿児島県産を中心に旬の食材を味わえる

南国ならではの穏やかな時間が過ごせる温泉旅館「指宿白水館」。海と松林に囲まれた約5万坪の広大な敷地内には、指宿名物の砂むし温泉を併設する元禄風呂や、「森伊蔵」ほか稀少な薩摩焼酎が味わえる焼酎道場、薩摩焼をはじめとした美術工芸品を展示する薩摩伝承館など、鹿児島や指宿の文化と歴史を伝える施設が揃う。
旬の味覚を大切にした彩り豊かな宿の料理にも、鹿児島らしさが満載だ。「枕崎のカツオ、錦江湾のキビナゴ、屋久島のトビウオといった魚介類や、肥沃な大地で育った黒豚、黒毛和牛、そして野菜。鹿児島食材のもち味を生かした、正統派の日本料理を提供しています」と和食調理部部長の金岡正弘氏。鹿児島の食材が仕入れられないときは九州のものを、それも難しい場合は必ず国産食材を使用するなど、旬に加えて食の安全性にも気を配る。「調理部のモットーは“本物をお出しする”こと。地の献立を揃えた指宿白水館の料理で、心に残るひとときをお過ごしください」と、金岡氏は言葉を結んだ。

指宿白水館(いぶすきはくすいかん)

TEL0993-22-3131(受付時間9:00AM~5:30PM)
鹿児島県指宿市東方12126-12
指宿スカイライン谷山ICから約55分
JR指宿枕崎線指宿駅から車で約7分
おひとり様1泊2食付21,050円~(サービス料込・入湯税込)
砂むし温泉とは、高温の温泉で温められた砂に埋まって体を温める入浴法のこと。指宿市では砂むし温泉専用施設や、一部の温泉旅館で入浴できる。温熱効果による疲労回復のほか、冷え性改善にも効果を発揮するといわれている。
本格焼酎
伝統×革新 時代を超えて愛される魅力

鹿児島県産のサツマイモと水にこだわって焼酎を製造する「薩摩酒造」。代表銘柄である本格焼酎「さつま白波」は、1970年代後半から始まったとされる第一次焼酎ブームを支え、焼酎6対お湯4の割合で作る「ロクヨンのお湯割り」というキャッチコピーで全国的に知られるようになった。
創業以来、伝統の製法や味を大切にしながらも、つねに新たな商品を開発してきた同社の自信作が、本格焼酎「彩響(あやひびき)」だ。開発時のコンセプトは“究極の冷涼感”。すっきりした飲み口を実現すべく、焼酎造りに使用されることが極めて稀な清酒酵母を採用し、その特性を最大限に引き出すため低温で醪(もろみ)を発酵。開発に約3年を費やし、青リンゴを思わせるさわやかな香りと、これまでの芋焼酎にはない冷涼感を実現させた。開発に携わった杜氏(とうじ)の安藤裕二氏に、おすすめの飲み方をうかがった。「ぜひ、炭酸割りで。キレのあるシャープな酒質に炭酸の刺激が相まって、さらなる冷涼感が楽しめます。炭酸の泡が弾けるたびに広がる青リンゴのような香りと、爽快な喉ごしをご堪能ください」。

薩摩酒造花渡川(けどがわ)蒸溜所 明治蔵

TEL0993-72-7515
鹿児島県枕崎市立神本町26
指宿スカイライン谷山ICから約1時間
JR指宿枕崎線枕崎駅から車で約6分
9:00AM~4:00PM
年末年始休
入館無料
薩摩半島の南西部に位置する枕崎市は、年間4万トン強のカツオを水揚げする枕崎漁港を擁し、カツオ節の生産量も日本一を誇るカツオの町。本土最南端を走るJR指宿枕崎線の始発・終着駅、枕崎駅がある町としても知られている。
薩摩郷土料理
鹿児島の文化をも伝える老舗の味

「吾愛人 本店」は1946(昭和21)年に創業した郷土料理の店。その長い歴史から地元の人には馴染み深い店であり、旅行者にとっては伝統的な鹿児島の郷土料理に出合える店である。
数あるメニューのなかでとくに人気なのが、吾愛人特製出汁にくぐらせ味わう「六白(ろっぱく)黒豚のしゃぶしゃぶ」だ。この店では、品質を保証されたかごしま黒豚のみを仕入れ、自社工場内で管理して1枚ずつ丁寧にスライス。提供するまで冷凍処理を一切行わないため、かごしま黒豚のもち味である、肉質のきめ細かさと脂身の甘みが堪能できる。また、約70年、出汁を継ぎ足しながら受け継いでいる白みそ仕立ての「みそおでん」や、黒豚のあばら肉を黒砂糖と焼酎で煮込んだ「とんこつ」、揚げたての味と香りが格別な「手造りさつま揚げ」も風味豊か。郷土料理と合わせて楽しみたい焼酎は、オリジナル焼酎のほか県内各地の蔵元の焼酎を揃える。店舗の外壁には県内で採掘された加治木石を用い、店内照明には薩摩和紙を使うなど、店全体で鹿児島の歴史と文化が感じられる。

吾愛人(わかな)本店

TEL 099-222-5559
鹿児島市東千石町9-14
九州自動車道鹿児島ICから約15分
九州新幹線鹿児島中央駅から車で約10分
5:00PM~10:00PM(L.O.)
年末年始休
「吾愛人 本店」がある天文館は、鹿児島一の繁華街。複数の商店街からなり、郷土料理店や居酒屋などの飲食店からみやげ物店、ファッション、アミューズメント施設まで幅広いジャンルの店が軒を連ね、昼夜を問わずにぎわいを見せる。
取材・文/宮本喜代美
写真/松隈直樹
※価格は消費税込。 L.O.=ラストオーダー
●取材時期:2024年11月上旬 ※価格など掲載内容は施設や店舗の諸事情により変更となる場合があります。
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