東南アジア有数のリゾート・バリ島は海リゾートに限らず、緑豊かな森のリゾートも充実。
森林浴のようなリゾートステイ、注目のバリのグルメに、SNSでも話題の自然スポット……。
まだまだ尽きないバリ島の魅力をご紹介したい。
2025.4.14
緑滴る森に抱かれ“リトリート”する
海辺のリゾートに対し、バリ島を代表するもうひとつのリゾートエリアが、森林地帯にあるウブド周辺だ。2022年にオープンした「ブアハン・ア・バンヤンツリー・エスケープ」は、世界各地でラグジュアリーな秘境リゾートを手がけるバンヤンツリーグループ初のサファリ・リゾート。ウブドの街なかから車で約40分の、鬱蒼(うっそう)としたジャングルに囲まれたブアハン村に位置する。「NO-WALLSNO-DOORS」のコンセプトのとおり、極力壁やドアを排した斬新かつ大胆な建築デザインが特徴。伝統の建築様式を取り入れた客室は、境界なく周辺のジャングルに溶け込み、まさに自然に抱かれて過ごすことができる。棚田でのトレッキングや農園巡りなど、大自然を満喫する体験プログラムにもぜひ参加してほしい。
星野リゾートが手がけるラグジュアリーホテル「星のやバリ」は、バリ島の神話にも登場するプクリサン川の渓谷沿いという神秘的なロケーションにある。全30棟あるプライベートヴィラは、川を模した最長約70メートルのロングプールで繋がり、まるでひとつの集落のよう。客室には時計やテレビがなく、日常から解放されて「リトリート」できる別世界だ。ゆったりと流れる時間に身を置いて、デジタルデトックスを実践するのもいいだろう。
食事は渓谷を望むダイニングで。神と人と自然の調和を重んじるバリ島の哲学概念、「トリ・ヒタ・カラナ」をコンセプトとしたコースディナーを味わう。軽食やアフタヌーンティーを提供するカフェ・ガゼボは、渓谷にせり出すように設計された絶景スポット。オプションで体験できるガゼボでの朝食やディナーも楽しみだ。
ブアハン・ア・バンヤンツリー・エスケープ
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客室は全部で16棟。専用プール付の「ブアハン・ヴァレー・プール・ヴァレ」は、開放的な屋外テラスにバスタブを備える。
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オープンキッチンのダイニングでいただくヘルシーな朝食。食品ロスにも配慮したエシカルな料理がコンセプト。
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メインプールは温水なので、山間部でも快適。
星のやバリ
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目の前にジャングルが広がるカフェ・ガゼボ。アフタヌーンティーも楽しめる。
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ピクニックスタイルで楽しむ「空中ガゼボ朝食」。黒米のプディング、「ブブール・インジン」などバリ島の伝統スイーツやたっぷりの南国フルーツがうれしい。
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スパではインドネシアの生薬、ジャムウを使ったトリートメントなどが受けられる。
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インドネシアの伝統工芸、ろうけつ染めを体験できるプログラムも。
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バリの文化と日本らしさが融合した客室。
ブアハン・ア・バンヤンツリー・エスケープ Buahan, a Banyan Tree Escape
TEL 0361-620-8181
Banjar Selat, Buahan Kaja, Payangan, Gianyar
星のやバリ HOSHINOYA Bali
TEL 050-3134-8091(星のや総合予約・日本語)
Br. Pengembungan, Desa Pejeng Kangin, Kecamatan Tampaksiring, Gianyar
ホテルダイニングでの魅惑の食体験
日々進化を遂げているバリ島のグルメシーン。ローカルな伝統料理だけにとどまらず、唯一無二のロケーションやユニークな体験など、食の楽しみ方もさまざまだ。
ジ・アプルヴァ・ケンピンスキ・バリ内にある「コーラル・レストラン」は、アクアリウムを楽しみながら食事ができるコンセプトレストランとしてオープンし、人気を博している。階段を下り、地下にある店内に入るとまるで別世界。水族館のように熱帯魚が泳ぐさまを眺めることができる。なかでも人気なのは、天井がアーチ形になったトンネル状の空間。頭上に熱帯魚が泳ぎ、美しい海中世界に飛び込んだかのよう。メニューはインドネシア沿岸地域の郷土料理をモダンに解釈した、新鮮な驚きのある創作料理。星付きレストランで腕を磨いた総料理長が考案した、見た目にも美しい魚介料理をコース仕立てでいただく。
「タマン・デダリ」は王族所有の名門ホテル、「ザ・ロイヤル・ピタ・マハ」の別館レストラン。高級リゾート内にありながら、カフェのように気軽に利用できると、ローカルの間でも話題になっている。バリ・ヒンドゥーの砂岩彫刻が施されたエントランス、巨大な天女像が出迎える開放的なテラス席など、店内はどこもフォトジェニック。バリ島らしい雰囲気と、撮影スポットとしての楽しさを兼ね備えているのがユニークだ。料理は伝統的なインドネシア料理やウブド名物のアヒル料理など、定番メニューが揃う。アヒル料理は田園地帯が多いウブドならではの郷土料理。パリッと素揚げにして、ご飯や付け合わせの野菜と一緒に味わうのが地元流だ。
コーラル・レストラン
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トンネルのような水槽に囲まれた「コーラル・レストラン」の店内。
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「ZEN」(270万インドネシアルピア)や「EXPERIENCE」(120万インドネシアルピア)などのコースがあり、キャビアやロブスターなど高級食材も登場。ワインとのペアリングが可能。
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地下にある水族館のような店内。
タマン・デダリ
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ご飯とおかずの盛り合わせ「ナシ・チャンプル・クデワタン」(6万インドネシアルピア・手前)、アヒルをパリパリに揚げた「デダリ・クリスピー・ダック」(14万9,000インドネシアルピア・右)。
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重厚なエントランス。
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店名の「タマン・デダリ」は「天女の園」の意。
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オープンエアの広い店内。靴を脱いでくつろげる席もある。
コーラル・レストラン Koral Restaurant
TEL 0361-209-2288(ホテル代表)
Jalan Raya Nusa Dua Selatan, Sawangan Nusa Dua The Apurva Kempinski Bali内
正午~3:00PM、5:30PM~10:30PM
無休
https://www.kempinski.com/en/the-apurva-kempinski-bali/restaurants-bars/koral-restaurant/
タマン・デダリ Taman Dedari
TEL 0361-980-011
Desa Kedewatan, The Royal Pita Maha別館
10:00AM~11:00PM
無休
熱帯の自然に抱かれる、秘境の絶景地へ
稲作が盛んなバリ島。ウブド周辺の山岳地帯には、美しいライステラスが広がっている。「スバック」と呼ばれる水利システムで河川の水を管理しており、ジャティルイという地域は“バリ州の文化的景観”として世界文化遺産に登録されている。伝統を受け継ぎ、守られてきたバリ島ならではの田園風景。ウブド周辺では、テガララン地区周辺で見ることができる。
「クレティア・ウブド・バイ・アラス・ハルム・バリ」は、ライステラスに囲まれたデイクラブ。デイクラブはプールやレストランが一体となった施設のことで、バリ島を訪れる旅行者に人気のデスティネーションとなっている。インフィニティプールから見る青々としたライステラスは、非日常的な美しさ。まだ人も少ない、朝の澄んだ景色のなかで、美景を独り占めしよう。クレティア・ウブドを擁する一帯は、「アラス・ハルム・バリ」と呼ばれるアクティビティー施設になっていて、広大なライステラスのなかを散策できる。
「カント・ランポの滝」は、ウブドの街なかから車で30分程のギャニャールエリアにある。岩山の上から白糸のような水が、階段状になった岩にぶつかりながら流れ落ちる絶景スポットだ。階段を下りて滝壺(たきつぼ)にアクセスし、手や足を水に浸して涼を楽しむのも一興だ。一帯は山間リゾートならではの涼やかな空気が漂い、瑞々しい緑があふれている。自然のままの島の美景に、心がいやされていく。
クレティア・ウブド・バイ・アラス・ハルム・バリ

アラス・ハルム・バリ

カント・ランポの滝
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階段状に水が流れる。滝壷では遊泳を楽しむ人の姿もある。
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滝周辺には美しい川が流れる。川の対岸にある階段を上ると、滝の全景を写真に収めることができる。
クレティア・ウブド・バイ・アラス・ハルム・バリ Cretya Ubud by Alas Harum Bali
TEL 0361-958-5999
Jalan Raya Tegallalang, Tegallalang
8:00AM~9:00PM
無休
入場料・デイクラブ(プール)利用料:15万インドネシアルピア(1ドリンク付)
アラス・ハルム・バリ Alas Harum Bali
TEL 0361-958-5999
Jalan Raya Tegallalang, Tegallalang
7:00AM~7:00PM
無休
入場料:50,000インドネシアルピア
カント・ランポの滝 Kanto Lampo Waterfall
TEL 0823-4180-5579
Jalan Kaliasem Lingkungan Kelod Kangin, Beng, Kecamatan Gianyar, Kabupaten Ginyar
7:00AM~6:00PM
入場料:25,000インドネシアルピア
取材・写真・コーディネート/野嶋姫佐(Mediabox Bali) 文/若宮早希
●取材時期:2024年11月中旬
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。