美しい自然に囲まれ、日本有数の高原リゾートとして知られる軽井沢。旬の信州食材を堪能できる料理店、自然を全身に浴びるスポット、桜の名所としても名高いホテル…。軽井沢の自然の巡みを存分に味わう、春の旅を紹介する。高原リゾートの“春”を探しに出かけよう。
2025.3.17
自然を感じながら軽井沢の春を探す
軽井沢は標高1000メートル前後の高原に位置し、3月に入っても昼夜の寒暖差があり、寒い日が多い。地元の人によると、4月中旬ごろから徐々に暖かくなり、下旬になると木々が芽吹き始めるという。さまざまなスポットを訪ね、軽井沢の春を体感してみたい。
軽井沢駅から北へ車で約20分向かうと、「白糸の滝」の入口に到着する。清流に沿って遊歩道を進むこと数分、湾曲した岩肌を何百条もの滝がいっせいに流れ落ちる、優美な光景が目の前に現れる。滝の高さは約3メートル。数十メートル上から滝つぼに落ちる豪快な滝とは異なり、優しく響く水音が心地よい。みずみずしく葉を広げる自然林に囲まれ、岩肌を覆う苔に白色の滝がよく映えている。

「軽井沢プリンスホテル ウエスト」は、軽井沢きっての桜の名所。ソメイヨシノやシダレザクラ、ヤマザクラなど、約300本の桜が広大な敷地に彩りを添える。見ごろは例年4月下旬から5月初旬にかけて。まだ雪が残る浅間山を背景にしてピンク色に染まる桜や、町の木であるコブシの花が咲き誇る華やかな様子も楽しめる。宿泊客でなくても桜を眺めながら散策できるのもうれしい。
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桜はコテージエリアやロビー周辺など敷地内で観賞できる。
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“Brilliant”をテーマに軽井沢の自然の光をイメージしたという「ウエスト ツインルーム」。
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大きなガラス窓が開放的な内風呂、広々とした露天風呂、ロウリュサウナなどが揃った温泉棟で、旅の疲れをリフレッシュするのもおすすめ。
「ベーカリー&レストラン 沢村旧軽井沢」は、自家製酵母で作るパンとドリンクを購入して、その場で気軽に味わえるイートインスペースと、食事ができるレストランフロアが同じ建物内にある。おすすめは店の裏手にあるテラス席。すぐそばに精進場川(しょうじんばがわ)が流れ、目の前には自然林が広がっている。瀬音に耳を傾け、緑あふれる木々を眺めながら、ゆっくりと過ぎていく食事の時間は格別だ。
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エントランス側にもテラス席が用意されている。
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ベーカリーコーナー。約30種の小麦を使い分け、生地を低温で長時間発酵させたパンが種類豊富に揃う。
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サラダと3種類のパンが付く「蓼科ポーク 肩ロース肉のグリルグリーンマスタードソース」(2,420円)。ハチミツが隠し味のグリーンマスタードソースは程よい酸味で、まろやかな口当たり。
白糸の滝

長野県北佐久郡軽井沢町長倉(小瀬)
見学自由
軽井沢プリンスホテル ウエスト

TEL 0267-42-1111
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢
おひとり様1泊素泊まり20,172円~(サービス料込) ※ホテル棟利用の場合は入湯税150円別
ベーカリー&レストラン 沢村 旧軽井沢

TEL 0267-41-3777
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢12-18
ベーカリー 7:00AM~9:00PM(12~2月 8:00AM~)
レストラン 7:00AM~9:00PM(L.O.)(12~2月 8:00AM~)
※10:00AM~11:00AMはレストラン入店不可
無休
“旬”を告げる、信州の恵みを味わう
信州は変化に富んだ地形や豊かな自然に育まれた、山や里、川の恵みの宝庫。軽井沢には、これらの食材を堪能できる名店が多い。
「春はフキノトウなどの山菜や、菜の花から始まって、春カブや新タマネギもおいしい季節です」と話すのは、フレンチレストラン「ル・ボン・ヴィボン軽井沢」のオーナーシェフ、梅田正克氏。野菜やハーブ類は契約農家から仕入れ、旬を感じるひと皿に仕上げる。例えば「春カブのロティ」は、カブを蒸し、揚げ、ローストしてうまみを閉じ込めた逸品。カブは驚くほどみずみずしく、とろけるような甘さで、春の定番のひとつだ。
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メニューは3コース(13,200円~・サービス料10%別)。写真は前菜の一例で、「信州サーモンのマリネと新玉ねぎのムース 契約農家のハーブたち」。色とりどりのハーブやエディブルフラワーが彩りを添える。
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木々に囲まれた一軒家レストラン。
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天井が高く開放感あふれる店内。店の周囲の緑に合わせてテーブルクロスも緑色に統一。
「無彩庵 池田」は、フランス料理をベースに信州の食材、郷土料理、保存食などを取り入れたメニューが好評。「自分で気軽に山菜やキノコをとったり、淡水魚を釣ったりできるところに惹かれました」と、料理長の池田昌章氏は軽井沢の魅力を語る。「ジャンルが異なる生産者の方々と話しながら、地元ならではの食べ方や郷土料理について聞くのは刺激になります」と続ける。自家製の野沢菜漬をコンソメと合わせたソースや、白ワインに漬けたフキノトウとブルーチーズを合わせたコンディモン(手作り調味料)など、初めての味に信州の食の奥深さを感じた。
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メニューはコースのみ。「菅平高原ダボス牧場 短黒和牛もも肉のロースト」はメインの一例。程よく酸味が利いた野沢菜漬を使ったソースで和の味わいに。
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「アスパラガスのボッシェとイノシシの自家製ハム」は前菜の一例。
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鏡になっているカウンターバックに窓外の緑が映り込み、森で食事をしているような気分に。
宿場町の面影が残る追分エリアに店を構える「料理 空いろ」は、開店して約1年半の日本料理店。ランチ営業もしているが、せっかくなら長野県産の野菜と五島列島の魚介で仕立てる夜のコースを堪能したい。前菜から締めまで7〜8品。作家物の陶器や軽井沢彫の家具が配された店内は落ち着きがあり、リラックスして過ごせる。
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夜のコースの一例。季節によって内容は替わり、お造りは春ならアオリイカ、鯛、サヨリ、サワラなどが並ぶ。
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「夜のコース」(7~8品・10,000円・サービス料込)の締めのご飯は、長野県北部の木島平村の米を雲井窯の土鍋で炊いて提供。鰻のかば焼きと一緒に味わいたい。
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東京、神奈川、静岡の料理店で研鑽を積んだ料理長の加藤 翔氏。
ル・ボン・ヴィボン軽井沢

TEL 0267-31-6605
長野県北佐久郡軽井沢町長倉2621-19
5:00PM~7:30PM(最終受付) ※完全予約制
水曜休 ※不定休あり
無彩庵 池田

TEL 0267-44-3930
長野県北佐久郡軽井沢町長倉1891-50
11:30AM~0:30PM(最終入店)、5:30PM~7:30PM(最終入店)
※1~2月は木~日・祝のみ営業
10~6月は月・火(祝日は営業)、7~9月は火曜休
※要予約
料理 空いろ

TEL 0267-46-9969
長野県北佐久郡軽井沢町追分113-4
11:00AM~1:00PM、5:30PM~8:00PM
火曜休
取材・文/粟屋千春 写真/宮地 工
●取材時期:2024年10月上旬
※価格は消費税込。 L.O.=ラストオーダー
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。