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宮城

日本三景・松島と
名湯・秋保温泉にいやされて

松島を一望できる4つの名所は、松島四大観と呼ばれる。そのひとつ、「壮観・大高森」からの眺望。

海の幸や山の幸など豊かな食材を誇る宮城県。比較的雪が少なく、旅をしやすいのも冬の宮城の魅力だが、やはり楽しみなのが冬の味覚。日本三景・松島と仙台の奥座敷・秋保温泉で、旬の味覚を味わい湯宿で過ごす、宮城の旅を紹介しよう。

2025.1.22

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松島 Matsushima

日本三景の多島海を愛でつつ名物カキ料理を味わう

 天橋立、宮島と並び日本三景のひとつに数えられる松島。松島湾には260余りの島々が連なり、場所や時間によってさまざまな表情を見せてくれる。江戸時代初頭にはすでに景勝地として名を馳せており、歴代の藩主をはじめ多くの文人墨客に愛されてきたが、いまなお多くの人を惹きつけている。

 多島海の風景とともに味わってみたいのが、冬に旬を迎えるカキだ。松島海岸駅前に2店舗を構える「かき松島こうは」は、一年中カキ料理を楽しめることで知られる店。なかでも「松島海岸駅前2号店」では、生ガキや炙りガキ、焼きガキなどの単品メニューのほか、さまざまなカキ料理を一度に味わえるコースもある。海のミルクとも呼ばれ、甘くて濃厚な味わい。松島湾が育んだ多彩な味覚を堪能したい。

  • カキは生、炙り、焼きから選べる。「生牡蠣3ケ」(1,210円)。「こうはオリジナル白ワイン」(グラス638円)。カキは1個から注文できる。おトクなドリンクとのセットも。

  • 「オイスタープレミアムランチAセット」(2,750円)には、テーブルで焼いて食べる「焼き牡蠣」や「牡蠣フライ」、「牡蠣ひつまぶし」、「牡蠣のオイル漬け」などが付く。

 時間とともに刻々と姿を変える松島を観賞するなら海辺の宿に宿泊するのがおすすめだ。「松島温泉 松島一の坊」もそんな宿のひとつ。どの部屋からも松島の島々を望め、朝に夕に、窓からの絶景を眺めながらくつろげる。最上階にある露天風呂も自慢の絶景スポットで、眺望とともに、「美肌の湯」とも呼ばれる柔らかな湯を堪能できる。また、滞在中は財布を気にする必要がないオールインクルーシブスタイルなので、気ままに過ごせるのが何よりの魅力だ。

  • スタンダードな「松島ツイン」。窓辺のロングソファーで、松島湾を眺めながらくつろぐことができる。

  • オーダーを受けてから目の前で調理してくれる、オーダービュッフェのメニューの一例。できたてを味わえるのはもちろん、プロの手さばきも楽しめる。

 松島海岸駅周辺には、さまざまなみどころが集まっており、散策が楽しい。ぜひ立ち寄りたいのが、海辺に立つ「観瀾亭(かんらんてい)」。伊達政宗が拝領した伏見桃山城の一棟を移築したもので、歴代藩主らの松島遊覧の際の御仮屋(おかりや)として使われていたと伝わる。縁側で抹茶を飲みながら松島湾を眺めていると、なんとも優雅な気分になってくる。

縁側から見た松島湾の眺め。抹茶とお菓子のセット「まつしま」(600円・現金のみ)などを楽しめる。

かき松島こうは 松島海岸駅前2号店

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TEL 022-353-3588
宮城県宮城郡松島町松島浪打浜10-14
11:30AMごろ~4:00PMごろ(夜は要予約)
不定休

https://www.kakikouha.com/

松島温泉 松島一の坊

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TEL 0570-05-0240
宮城県宮城郡松島町高城浜1-4
おひとり様1泊オールインクルーシブ35,000円~(サービス料込・入湯税150円別 ※2名1室)

https://www.ichinobo.com/matsushima/

※特別宿泊プランの対象期間は2025年1月6日(月)~6月1日(日)です。詳細はJCBトラベルへお問い合わせください。

観瀾亭

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TEL 022-353-3355
宮城県宮城郡松島町松島町内56
8:30AM~5:00PM(11~3月 ~4:30PM)
無休
観覧料:大人200円 ※現金のみ

秋保温泉 Akiu-Onsen

仙台の奥座敷で やわらかな湯と美食にいやされる

 仙台市街の西側に位置し、仙台の奥座敷とも称される秋保(あきう)温泉。開湯1400年以上と伝わり、長野県の別所温泉、野沢温泉とともに「日本三御湯」のひとつとして日本中からの湯治客を集めてきた。見事な渓谷美を見せる名取川の河岸段丘に温泉街が広がり、十数軒の温泉旅館が立ち並んでいる。

 なかでも古い歴史を誇るのが、「伝承千年の宿 佐勘」だ。江戸時代には仙台藩主・伊達政宗公の湯あみ御殿として栄え、館内には貴重な資料や伊達家ゆかりの品々も展示されている。「あたたまりの湯」として親しまれる自慢の温泉は、川沿いの大浴場や、伊達政宗公の湯あみ場を再現した「名取の御湯」など多彩。歴史を感じながら、日常の疲れをいやすことができる。夕食は、新鮮な山海の幸に四季の彩りを添えた会席料理。料理人が目の前で作る朝食ビュッフェにも佐勘の伝統が息づいている。2023年には、G7仙台科学技術大臣会合の舞台になったことも記憶に新しい。宿が大切にするおもてなしの心が、いまも守り続けられていることを示している。

  • 「河原の湯」にある源泉かけ流しの露天風呂。

  • 「ダイニング-Miyagino-」で供される会席料理。メインの料理は好きなものをチョイスできるハーフビュッフェ。

  • 飛天館の和洋室。

  • アルコールを飲まないゲストのために用意された隠れ家のようなコンセプトカフェ「神は細部に宿る」。レコードを聴きながら、ネルドリップで淹れたコーヒーなどを味わえる。

 一方、2024年4月、この秋保温泉の渓流沿いに新しい宿が誕生した。星野リゾートの温泉旅館「界 秋保」だ。地域の伝統工芸などを取り入れたしつらえや、大名の食事をイメージした「新伊達会席」など、伊達政宗公がもたらした斬新で粋な文化から着想を得たおもてなしが随所に取り入れられている。当時の宴を追体験する「伊達な宴」ではスタッフが案内役となり、政宗公が重んじた心や史実の説明を聞きながら、参加者同士が地酒を酌み交わす。温泉や食にいやされながら、粋な文化を楽しめる宿だ。

  • ご当地部屋である「紺碧の間」。フレームで切り取られたような四季の景観を楽しめる。

  • プライベート感のある半個室で供される特別会席「新伊達会席」。大名の食事をイメージした脚付きのお膳が使われる。

  • 大浴場の露天風呂。温泉の湯は敷地内の2本の源泉から引いている。内湯にはかけ流しの「あつ湯」とリラックスできる「ぬる湯」のふたつの湯船がある。

  • 渓流に面して設けられた「せせらきラウンジ」にはテラス席を併設。

伝承千年の宿 佐勘

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TEL 022-398-2233
宮城県仙台市太白区秋保町湯元薬師28
おひとり様1泊2食付25,300円~(サービス料込・入湯税150円別)

https://www.hotel-sakan.com/

界 秋保

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TEL 050-3134-8092
宮城県仙台市太白区秋保町湯元平倉1番地
おひとり様1泊2食付31,000円~(サービス料込・入湯税込)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiakiu/

取材・文/日下智幸 写真/鈴木 伸

●取材時期:2024年3月上旬 ※価格は消費税込。
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。

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