インドの伝統美に想いを馳せるの代表イメージ

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India[インド]

インドの伝統美に想いを馳せる

白亜のドームが美しい「タージ・マハル」。

北部インドを代表する都市アグラ、そしてデリーには、世界遺産に登録されているすばらしい建造物をはじめ、その地ならではの“美”が息づいている。美しいだけでなく、歴史的なストーリーが刻まれたふたつの都市を巡る。

2025.1.22

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Agra[アグラ]

世界遺産タージ・マハル 崇高なる美

 16世紀後半から17世紀半ばにかけ、ムガール帝国の首都がおかれたアグラ。インド叙事詩『マハーバーラタ』にも登場する古都だ。
 しかしこの街を有名にしているのは、やはり白亜のドームを戴く「タージ・マハル」だろう。悠久の時を刻むヤムナ河の畔にたたずむ凜とした姿は、遠くからもよく見える。門を入ると約300メートル四方の庭園と水路の向こうにそびえるタージ・マハルの完璧なシンメトリーな姿、その規模の大きさに圧倒されてしまう。
 四隅のミナレット(塔)は高さ43メートル、中央のドームはさらに高く67メートル。ムガール帝国第五代皇帝、シャー・ジャハーンが、亡くなった妃ムムターズ・マハルの墓として建てたものだ。建築に熱心だった皇帝は美しく壮麗な墓にすべく、ラジャスターン州から大量の大理石を、世界中から半貴石を集め、1631年から17年の歳月をかけて建築した。

庭園の中心を貫く水路の先にあるのは、白く気高い姿のタージ・マハル。

 アグラにいる間、ずっとこの美しい建物を見ていたいと、「ジ・オベロイ・アマルヴィラス」に、宿をとった。タージ・マハルへのオマージュを感じる建築や内装が美しいリゾートホテルだ。ロビーテラスや部屋の窓からは、朝、昼、晩と表情を変えるタージ・マハルを望む。毎夕、タージ・マハルと周辺の森をバックに伝統の舞踊が披露される。静けさの漂う白亜のタージ・マハルと、鮮やかな衣装をまとった生命感あふれる舞踊とのコントラストは感動的だ。

  • タージ・マハル同様、大理石で飾られた優雅なロビー。

  • すべての客室からタージ・マハルを望むことができる。チーク材の床、ムガール調の家具、大理石のバスルームなどインドならではの優雅なしつらえ。

  • 夕暮れに披露される、タージ・マハルを背景にした民族舞踊。

  • エントランスから、シンメトリーな水の庭に延びるアプローチを通ってロビーへ。

タージ・マハル Taj Mahal

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TEL 0562 222 6431(10:00AM~5:00PM)、0562 242 1204(6:30AM~9:30PM)
Taj Ganj, Agra
日の出30分前~日没30分前
夜間鑑賞(8:00PM~11:59PM)では、満月の夜と満月の前後の2晩が入場可能
※公式ウェブサイトを要確認
金曜休
入場料:大人₹1,100(現金のみ。霊廟は別途₹200)

https://www.tajmahal.gov.in/

ジ・オベロイ・アマルヴィラス The Oberoi Amarvilas

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TEL 0562 223 1515
Taj East Gate Road, Agra

https://www.oberoihotels.com/

Delhi[デリー]

デリーで出合う伝統と洗練

 タージ・マハルに大きな影響を与えたのが、ニューデリーにあるインド・イスラム建築の傑作「フマユーン廟(びょう)」だ。タージ・マハルが建造される約70年前、1565年に完成した皇帝フマユーンの墓廟で、ドームを中心としてシンメトリーにデザインされた、初めてのムガール様式の庭園霊廟として世界遺産に登録されている。歴史的建築物が多いデリーでも、その美しさは特別な存在だ。

エデンの園をモデルにした広大な庭園のなかにたたずむ。ペルシャ人の設計により建てられ、ムガール建築・ムガール美術の端緒をひらいたといわれる。

 フマユーン廟の向かいには、ムガール帝国時代の庭園「スンダル・ナーサリー」がある。こちらは、2018年に一般公開されるようになった。ムガール帝国の遺構が点在し、緑と花々が咲き誇る庭園は、喧騒に包まれた大都市におけるオアシスだ。

  • 世界遺産に登録された6つの遺跡が広大な庭園のなかに点在する。

  • 約300種の樹木と植物、80種を超える鳥が生息する。2018年のオープン時には『タイム』誌の「世界で最も素晴らしい場所100」のひとつに選ばれた。

 インドの発展に伴い、デリーは近年、急速に進化している。食のシーンもインドらしさを生かしたうえで、クリエイティブな料理がトレンドとなっている。
 そのなかでも「インディアン・アクセント」は、2024年度も「アジアのベストレストラン50」のひとつに選ばれた、洗練されたレストラン。ひと皿ひと皿に美の世界が繰り広げられ、次の皿が待ち遠しくなる。スパイスが生きる、味わい深くかつ斬新な料理を、インドワインとのペアリングコースで楽しみたい。

  • デリーのストリート料理からインスパイアされたスターターをロゼスパークリングワインと。

  • 「シェフズ・テイスティング・メニュー」(₹5,500)のデザート。アムラス・プリと呼ばれるマンゴーを使った伝統のデザートにチーズケーキを合わせて。

  • ヘッド・シェフのリジュル・グラーティ氏。

 「シャングリ・ラ エロス ニューデリー」は、ショッピングエリア、コンノート・プレイスに近い。便利な場所にありながら、館内は落ち着ける優雅な雰囲気に満ちている。部屋の大きな窓から街を見晴らしながら、これまでの旅で出合ったインドの美に想いを馳せるひとときを過ごせるだろう。

  • 機能的でスタイリッシュな「プレミアルーム」。窓際にはソファが設けられ、眺めを楽しみながらくつろげる。

  • 大統領官邸にも近く、静かな環境。プールやスパなどの施設も充実。

フマユーン廟 Humayun’s Tomb

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TEL 011 2435 5275
Bharat Scouts and Guides Marg, Nizamuddin East New Delhi
日の出~日没
無休
入場料:大人₹600 ※現金のみ

https://www.humayunstomb.com/

スンダル・ナーサリー Sunder Nursery

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TEL 011 4070 0700
Bharat Scouts and Guides Marg, Opposite Humayun’s Tomb, Nizamuddin, National Zoological Park, Sundar Nagar, New Delhi
夏 7:00AM~10:00PM、冬 7:00AM~8:30PM
無休 
入場料:大人₹200 ※クレジットカード利用不可

https://www.sundernursery.org/home.php

インディアン・アクセント Indian Accent

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TEL 98711 17968
011 6617 5151
The Lodhi, Lodhi Road, New Delhi
正午~2:30PM(L.O.)、7:00PM~10:30PM(L.O.)
無休

https://www.indianaccent.com/

シャングリ・ラ エロス ニューデリー Shangri-La Eros New Delhi

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TEL 011 4119 1919
19 Ashoka Road, Connaught Place, New Delhi

https://www.shangri-la.com/jp/newdelhi/erosshangrila/

取材・文/山口あゆみ 写真/入江啓祐

●取材時期:2024年3月下旬 ※L.O.=ラストオーダー
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。
※運航状況は変わる可能性があります。旅行を計画される際は、各航空会社の公式サイトで事前にご確認ください。

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