シンガポール、セントーサ島 ふたつのビーチでやすらぎ時間の代表イメージ

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シンガポール、セントーサ島
ふたつのビーチでやすらぎ時間

ケーブルカーから眺めた「シロソ・ビーチ」とシンガポール海峡。

高層ビルが立ち並ぶシンガポールのベイエリアから車で約15分のセントーサ島。南シナ海に臨む波穏やかなビーチ、鳥のさえずりが響く緑の森……。大人にふさわしいアイランドリゾートの休日を満喫しよう。

2025.5.23

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海風に大人がくつろぐパラワン・ビーチ

 高層ビルが立ち並び、金融をはじめ、さまざまなビジネスの中心地となっているシンガポール。そんな先端的な都市に、緑にあふれ、美しいビーチをもつリゾートアイランドがある。セントーサ島だ。
 シンガポール南部に位置し、シンガポール本島とは橋で繋がっており、チャンギ国際空港から車で約25分、オーチャード通りからも約20分と、とてもアクセスがよい。それでいて島の西側にはゴールデンサンドのビーチが連なり、自然保護区の森や原生林には動物や鳥たちが暮らす。豪邸が点在する住宅地には、治安と環境のよさから多くの著名人が家を構えている。
 まずは、セントーサ島の西側中央部に位置するパラワン・ビーチへ。海風にさわさわと音をたてるパームツリーに縁どられたビーチは、波が穏やかで落ち着いた雰囲気だ。沖合の小島には、ちょっとした冒険気分が味わえる吊り橋を渡って行ってみよう。展望台に上ると目の前にシンガポール海峡が広がり、多くの船が行き交う。振り返ってみると、弧を描く砂浜が美しい。

  • パラワン・ビーチと沖にある緑濃い小島を結ぶ吊り橋。ここから眺めるビーチもまた美しい。

  • ビーチを闊歩(かっぽ)する野生のクジャク。島の面積の約70パーセントが熱帯雨林で、さまざまな野生動物が暮らす。

 パラワン・ビーチには、2020年に海上アスレチックなどエンターテインメント施設が登場したが、いま話題なのは2023年にオープンしたビーチクラブ「プラス トゥエルブ」だ。16歳以上しか利用できないビーチクラブで、テラスにはプライベートに使えるカバナが用意されている。海を見渡しながらゆっくりとくつろぎ、カクテルやシンガポールらしい多彩な料理を楽しめる。最も広いカバナは15名まで利用できるので、パーティーで利用する人も多いという。

  • 海側から見た「プラス トゥエルブ」。テラスが5層あり、カバナが用意されている。専用のプールもある。

  • 4~6名でシェアできる豪華な盛り合わせの「ピシン・ボート」(S$188)は前菜のメゼからアンガスビーフのグリル、太巻寿司までさまざま。

プラス トゥエルブ + Twelve

TEL 65-6277-7095
The Palawan @ Sentosa - 54 Palawan Beach Walk, Singapore
11:00AM~9:00PM(金~日・祝 9:30AM~10:30PM)
無休

https://www.thepalawansentosa.com/plustwelve/

フランスとアジアが出合うラグジュアリーリゾート

 セントーサ島は高級リゾートホテルの宝庫だが、なかでも歴史あるホテルが「ソフィテル シンガポール セントーサ リゾート & スパ」だ。始まりは、1995年にシンガポール初のリゾートスタイルホテルとしてオープンした「ビューフォートホテル」。ラグジュアリーホテルの建築家として名高いケリー・ヒル氏が設計・デザインしたことでも話題となった。ヒル氏の世界観を残したまま、ソフィテルになったのが2015年。フランスとアジアが出合い、よりエキゾチックで洗練されたスタイルとなった。
 約10ヘクタールもの熱帯雨林のなかにあり、チャンギ空港から車で約25分であることを忘れてしまう。海に向かう丘の上にあり、気持ちよい風が吹くガーデンからは、南シナ海を望む。
 高層ホテルが多いシンガポールでぜいたくにも地下2階を含む5階建ての低層で、ガーデンビューの部屋からは緑の庭が美しい。客室内もフランスのエスプリを感じるしつらえだ。

  • ケリー・ヒル氏らしいシンメトリーで開放感のある建築デザイン。

  • 南シナ海を見渡せるベンチからは、すばらしいサンセットも楽しめる。

  • 「ラグジュアリー・ガーデン・ルーム」。ミニバーやコーヒーセットを収めたシェルフはフランスのハットボックスのようなデザイン。

  • ブラックパール・タイルを敷き詰めたシックなプール。デッキチェアはゆったりと配置されている。

 特筆すべきはレストランのレベルの高さ。今年、数々のミシュランスターレストランのシェフを歴任してきたビョルン・アレクサンダー氏が統括総料理長に就任。イタリアンダイニングの「ザ クリフ」はシンガポールで話題の店だ。
 「クリエイティブだが複雑ではない、だれもが好きになるイタリアンを目指しています」とアレクサンダー氏。
 ホテル内には西洋料理やインド料理、アジア料理を楽しめるレストランもあり、食事の選択肢は充実している。

  • 「人気のカルボナーラをピザにしてみました」とシェフ。軽いクラストに香りのよいベーコンと卵黄の濃厚な味わい(S$40)。ランチでもディナーでも同じメニューが楽しめる。

  • ドイツ出身の統括総料理長ビョルン・アレクサンダー氏。ヨーロッパ、香港で経験を積んできた。

ソフィテル シンガポール セントーサ リゾート & スパ Sofitel Singapore Sentosa Resort & Spa

TEL 65-6708-8310
2 Bukit Manis Road, Sentosa, Singapore

https://www.sofitel-singapore-sentosa.com/

ザ クリフ The Cliff

JCB優待

TEL 65-6708-8360
Sofitel Singapore Sentosa Resort & Spa内
ランチ 正午~2:30PM(L.O.)
ディナー 6:00PM~10:00PM(L.O.)
無休

https://www.sofitel-singapore-sentosa.com/gastronomy/the-cliff/

連なる砂浜に華やぐシロソ・ビーチ

 セントーサ島の西端のシロソ・ポイントからは、いくつもの白砂の砂浜が連なっている。シロソ・ビーチだ。本島のハーバーフロントからケーブルカーを利用すれば、上空からその美しい景観を楽しむことができる。
 ビーチの前の海には小島が点在しているのでいつも波は穏やか。カヤックやSUP(サップ)などのマリンアクティビティーに気軽にトライすることができ、またバンジージャンプの施設などもある。セントーサ島のビーチのなかでも最もアクティブに過ごせるビーチは、ファミリーにも人気で、華やいだ空気に満ちている。ちなみにセントーサ島の西海岸にはビーチや主な観光スポットを結ぶカラフルなシャトルバスが走っており、無料で乗り降りできる。パラワン・ビーチからシロソ・ビーチまで15分程だ。

  • ケーブルカーから眺めたシロソ・ビーチ。緑に縁どられて弧を描くビーチが連なる。南シナ海のシンガポール海峡は多くの船やタンカーが行き交う。

  • カラフルなシロソ・ビーチのサイン。フォトスポットとして人気。

  • セントーサ島の標高最高地点とシロソ・ポイント駅を繋ぐケーブルカー。

 海遊びで疲れたら、オン・ザ・ビーチのレストランで冷たいドリンクとイタリアンをいただこう。「トラピッツァ」では、イタリア出身のシェフ、アレッサンドロ・デッラ・ケイヴ氏が手がける本場の味が楽しめる。イタリアから直輸入されたパンチェッタやピスタチオ・モルタデッラをつまみ、カクテルを飲みながら海を眺めて風に吹かれていると、まるで地中海リゾートでくつろいでいるような気分だ。

  • シェフのおすすめ料理。奥から、「アンティパストの盛り合わせ」(S$36)、ロブスターの身がぎっしり詰まった「ラビオリ」(S$34)、「ナポリ風ピンサ(ピザ)」(S$24)はチェリートマトと水牛のモッツァレラチーズがたっぷり。

  • 開放感あふれるテラス席。

 シロソ・ビーチを満喫したいなら、シンガポール唯一のビーチフロントホテル「シャングリ・ラ ラサ セントーサ シンガポール」に宿泊するのがおすすめだ。454室もある大型リゾートでプールエリアも広々。トラピッツァを含む、5つのレストランがあり、多彩な料理が楽しめる。家族で滞在するゲストが多い。

シロソ・ビーチの西端にあり、目の前に広々とした砂浜が広がる。背後は緑の丘で、ジャングルトレッキングも楽しめる。

シャングリ・ラ ラサ セントーサ シンガポール Shangri-La Rasa Sentosa, Singapore

TEL 65-6275-0100
101 Siloso Road, Sentosa, Singapore

https://www.shangri-la.com/jp/singapore/rasasentosaresort/

トラピッツァ Trapizza

TEL 65-6376-2662
10 Siloso Beach Walk, Sentosa, Singapore
正午~9:00PM(金~日・祝 11:00AM~10:00PM)
無休

https://www.shangri-la.com/jp/singapore/rasasentosaresort/dining/restaurants/trapizza/

取材・文/山口あゆみ 写真/入江啓祐

※L.O.=ラストオーダー
●取材時期:2025年2月上旬
※掲載内容は時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。

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